教育費の心配がない、子どものいない家庭。
大きな出費が想像できず、お金の話は不要だと思っておられるようです。
今回は、 「それでいいの?」と不安になった方から寄せられた声をお届けします。
*******************************************************************************
43歳からの「くらしとお金の安心」をサポートしている つじもとFP事務所です。
自分の未来は自分で守る時代。
共に歩む「伴走者」として、人生100年時代に役立つ情報をお届けします。
*******************************************************************************
A.老後破綻へのわかれ道です
個別相談を受ける中で、夫婦やご家族でお金の話をしている家庭は ほとんどありません。
じゃぁ、話をしないままでいいのかというと・・・
答えは、NO!
1. 家族でよく話をしているか
2. お金を使う理由が明確かどうか
たったこれだけのことが、老後の暮らしに大きな差を生むのです。
* 要約記事は、こちらから → 下流への出発点?
1. 家族でよく話をしているかどうか
家計相談に来られるパターンは、大きく分けて3通りあります。
① 夫婦ふたりで一緒に来られて話に参加
② 夫婦のどちらか一方が話している
③ おひとりで来られる(既婚・シングル)
① 夫婦ふたりで一緒に来られて話に参加
おふたりの意向を確認しながら現在と将来の家計を見ていけます。
もともとよく話をしているご夫婦なので、とってもスムーズ。
それでも、お互いにクチにしていなかった思いもあるので、
第3者が入ることで話しやすく、目指す老後のイメージが深まるようです。
【相談者の声】
・ふたりの方向性が一緒でホッとしました。
・もっと知りたいことや考えねばならないことが見えてきた。
② 夫婦のどちらか一方が話している
生活にゆとりがないのは、夫の稼ぎや妻のお金の管理が悪い!
と 思っている。 ことが多い・・・
ですから、自分の生活態度は変えず、相方に見直しを希望されます。
男性) 飲み代やゴルフ代は減らせない。
女性) 友だちとのランチや子供の塾代・習い事は減らさない。
どちらかが話しをしているときは、もうひとりは黙ったまんま。
どこまでいっても平行線です。
最初から最後まで、ひとりだけ話していることもあります。
お金のことの前に、 お互い向きあって話せるよう関係修復が必要ですね。
どんな未来を描いているのか、
おひとりずつ聞いていきながら 距離を縮める方法を模索していきます。
どうしても歩み寄れない場合は、そこから離れることもありでしょう。
【相談者の声】
・久しぶりに夫(妻)とキチンと話しました。
・財布が別なので、家にいくらお金があるかわかって良かったです。
・3人だったので、少し冷静に話せました。
・ひとりで生きていけるチカラをつけます。
③ おひとりで来られる
ご家族やご夫婦一緒ではなく、おひとりで相談に来られるケースです。
「本当は一緒に来てほしかったのに」と、ひとりで来たことを嘆く人も。
・自分ひとりで決められること
・ひとりでは決められないこと
いくつかのパターンを想定して、日ごろの想いも聞いていきます。
*将来への希望や親の家をどうするかなど、親や兄弟の意向も大切。
【相談者の声】
・親や兄弟とお金の話をしたことがない。
・お金の管理は、自分のことだけ考えるのではないと気づきました。
・思い込みがわかって良かったです。
お互いの意見は、違って当たり前。
そこに気づくかどうかが大切です。
手を繋いで歩くのか、それぞれ自分のペースで歩くのかは自由。
家族一緒に話すことができれば、目指す方向が見えてきます。
2. お金を使う理由が明確かどうか
先を見通して行動する人は、お金の使い道が明確です。
あまり迷わないし、違うと思った時の修正が早い。
一方、
「今」 に集中している人は、少し先の未来さえ見ていないことも。
このため、余計な支出が増える傾向にあります。
たとえば、 2年前に買った家を手放すか悩んでいたご夫婦
Q、転勤族の主人が、また転勤に。
単身赴任すると二重生活になるから家計が大変だし、
ついていくなら、この家売ったほうがいいですか?
A. どちらもメリット、デメリットがあります。
・売らずにそのままの場合
【メリット】
賃貸に出すことで、家賃収入を得られるかも。 戻る場所がある安心感も得られます。
【デメリット】
・負担が2倍に
住宅ローンを払いながら、転勤先の家賃も負担することに。
・住宅ローン控除が使えなくなります
*マイホームをローンで購入した場合に、一定の割合に相当する金額が所得税から控除できる制度
*居住している場合にのみ利用できる控除です
・売却する場合
【メリット】
・残した家の手入れや固定資産税の支払いをしなくて済みます
【デメリット】
・売却代金よりローン残高が多いと、家賃とローンの支払いあり
・持っていけない家具や荷物の処分・売却できない場合は、引き取り手数料がかかることも。
豊かな老後を過ごすには
① 家族が、未来のことを一緒に話し合う
② そのためにどう稼ぎ、どう使うか決める
③ ときどき修正する
繰り返し、繰り返し①~③をやってみる。
すると・・・
少しずつでも、未来が変わってくることを実感できるようになってきます。
老後の安心は、今からできる工夫から!
疑問に思った時が始め時です。
*******************************
お金の知識を得ることは、人生を豊かにします。
皆さまのお役にたちましたら幸いです。
つじもとFP事務所 辻本由香